正統派映画評!『映画開拓史』の最新映画レビュー

マッドマックス 怒りのデス・ロード

映画評価映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点 マッドマックス 怒りのデス・ロード

 凶悪な暴走族に相棒の警官を殺されたうえ妻と息子まで殺害されて怒りに燃えた主人公が、そんな悪の権化と化した連中への復讐に乗り出す一作目から数えて今年で30年。その節目の年にあのマッ
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個別映画評

恐怖の報酬
The Wages of Fear Le Salaire de la Peur

恐怖の報酬
点数映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点
年代1952年
フランス
時間149分
監督アンリ=ジュルジュ・クルーゾー
脚本アンリ=ジョルジュ・クルーゾー
音楽ジュルジュ・オーリック
出演イヴ・モンタン、シャルル・ヴァネル、ペーター・ヴァン・アイク、フォルコ・ルリ、ヴェラ・クルーゾー

 この映画を見たのは学生時代で、当時、強烈な印象を受けた記憶があり、その証拠ではないが、同時上映の作品がW・ワイラーの「友情ある説得」だったことを明確に覚えている。このころの劇場は、ほとんど「二本立て」とか「三本立て」が主流で、客の入れ替えもなく、見ようと思えば一日中でも映画館で過ごせた“良き時代”でもあった。
 ところで本作だが、ストーリーの骨格はいたってシンプルで、アメリカ資本の油田で火災が発生、消火に困り、やむなくロウソクの火を口で吹き消すごとく、爆風で炎をフッ飛ばすことになる。そこで、爆薬のニトログリセリンを火災現場まで運ばざるを得なくなる、というお話なのだが、シンプルな骨子にこそ、重厚な味付けができるとばかりに、監督クルーゾーは恐怖をジワジワと積み上げる。まず、ニトロの威力を一滴の破壊力で観客に見せ付けると、あとはもうニトロ缶に転がる石ころ一つにもドキリとさせる恐怖の空間に、ウムを言わせず観客を引きずり込む。
 ドラマの前半は、メキシコ近郊の中米の町ラス・ピエドラスが舞台で、町の状況や登場人物たちが、まず紹介される。この部分が冗長に感じられないでもないが、異国の果てのふきだまり、という雰囲気をただよわせ、作品の印象を決定づけて効果的だ。やがて、油田大火災の情報がもたらされ、ひとり2千ドルで雇われた4人の男たちが2台のトラックに分乗、500キロ先の油田まで、危険なニトロを運ぶことになる。ここから、身もちじむ恐怖を背負った道中が始まるが、とりわけ、男たち4人の性格描写が見事で、モノクロ映像独特の重圧感がただよう中、彼らの運命が狂い始めるエピソードが秀逸だ。ノロノロ運転のトラックが、峠道で一度に曲がりきれず、突き出た板場で落ちそうになる場面や、道をふさぐくずれ落ちた岩石を、ニトロで爆破する場面など、息を呑むシーンの連続でまったく目が離せない。現実音のみの構成が、嫌がうえにも緊迫感をあおる。何と云ってもこの作品は、オープニングから衝撃のラストまで、妥協を許さぬクルーゾーの重厚きわまりない演出力と構成力が生んだまさに“不朽の名作”だ。
(2007/05/21)

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