個別映画評
黄金の七人
Sette Uomini D’oro

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年代 | 1965年 |
国 | イタリア |
時間 | 95分 |
監督 | マルコ・ヴィカリオ |
脚本 | マルコ・ヴィカリオ、マリアノ・オゾレス、ルエノ・ギルモア |
音楽 | アルマンド・トロヴァ |
出演 | フィリップ・ルロワ、ロッサナ・ポデスタ、ガストーネ・モスキン、ガブリエル・テェンティ |
この作品は、60年代当時のファッションと音楽で描く、粋で痛快な、泥棒エンターテインメント映画である。
仲間たちから、プロフェッサー“教授”(フィリップ・ルロワ)と呼ばれる主人公が、妖艶美女、ジョルジア(ロッサナ・ポデスタ)を従えて、スイス銀行真向かいのホテルの一室に到着する場面から、物語はスタートする。そして、白昼堂々と、銀行前の道路を工事に見せかけて穴を開け、地下大金庫に忍び込み、7トンの金塊を奪うという、大胆不適な計画を着々と進行させていく。地下にもぐるその道のプロ6人には、ホテルの部屋から無線で“教授”の的確な指示が飛び、地下からは、進ちょく状況が返されるのだ。これらの行動が、少ない会話とともに丹念に描き込まれると、観客は、すっかりドロボー一味に肩入れしているから愉快だ。さらに、“教授”が使うトランク型の無線機も上部を開くと、中でクルクル回るアンテナが動いていたりして、今見るとずいぶん古い感じだが、40年前の公開当時は、すばらしい最新鋭マシーンに見えた事を思い出す。また、今でこそ女性のハダカは当たり前だが、R・ポデスタの毛皮ファッションや、全裸の“ボディ・ストッキング”姿は当時の若者には相当刺激的だったものだ。
物語は、緻密な計画のもと、確実に前進していくが、時おり発生する“ヒヤリ”とさせるエピソードが巧みに配置されていて、まったく飽きさせない。いや、飽きるどころか終盤に入ると、ドラマは二転三転、片時も目が離せなくなる。加えて、アルマンド・トロヴァヨーリーの、ジャズとスキャットを組み合わせたようなポップな音楽も抜群で、いつまでも耳に残る。“ルパン三世”の元ネタという噂もあるだけに、ドラマのノリはまったくルパン三世を彷彿とさせるし、“教授”を“ルパン”に、ジョルジアは“不二子ちゃん”に重ねて見るのもまた、この作品の一つの楽しみ方なのかも知れない。
(2007/03/20)