個別映画評
さよなら、僕らの夏
Mean Creek

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年代 | 2004年 |
国 | アメリカ |
時間 | 90分 |
監督 | ロヤコブ・アーロン・エステス |
脚本 | ヤコブ・アーロン・エステス |
音楽 | トムアンドアンディ |
出演 | ロリー・カルキン、スコット・ミシュロウィック、トレバー・モーガン、ジョシュ・ペック |
オレゴン州の、とある小さな町での物語である。カメラいじりが好きなジョージ(ジョシュ・ペック)の撮影を邪魔したとして、ボコボコにされた主人公のサム(ロリー・カルキン)は、兄ロッキー(トレヴァー・モーガン)に相談する。内気でやさしいサムは、大柄で粗野な同級生のジョージに、かねてから理不尽ないじめを受けていた。話を聞いた兄ロッキーは、ジョージを懲らしめるための一計を案じる。仲間たちに呼びかけて、サムの誕生日と偽り、川遊びに誘い出し川に落として家まで裸で帰らせるという計画だ。そして当日、そんなこととは露知らぬジョージは、プレゼントまで準備して喜び勇んで参加する。目的地へ向かう車の中で、プレゼントを受け取ったサムは戸惑ってしまう。ジョージが意外にも“いい奴”なのだ。サムは、兄、ロッキーに計画の中止を申し出るが・・・このあと、物語は思わぬ方向へと流れはじめる。
“スタンドバイミー以来の青春映画”とのふれこみだが、こちらは女の子ひとりを含む、6人のお話である。そして、この6人の少年達が、メリハリのあるいい演技でそれぞれの性格を表現しているのも大変良い。オレゴン州の美しい自然を舞台に展開するこの物語は、後半ドラマがグッと引き締まり、重苦しい重圧感が漂う。なんでもない休日のちょっとした遊びが、取り返しのつかない事態をひき起こすと云うプロセスは先が読めるが、「スタンドバイミー」とは一味違うダークな青春物語として、よく出来た作品だ。なお、主人公サムを演じるロリー・カルキンは「ホーム・アローン」でおなじみのマコーレー・カルキンの弟である。
(2006/12/11)