個別映画評
スーパーマン リターンズ
Superman Returns

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年代 | 2006年 |
国 | アメリカ |
時間 | 154分 |
監督 | ブライアン・シンガー |
脚本 | マイケル・ドハティー、ダンハリス |
音楽 | ジョン・オットマン |
出演 | ブランドン・ラウス、ケヴィン・スペィシー、ケイト・ボスワース、ジェームズ・マースディン |
クリストファー・リーヴ演じる「スーパーマン」シリーズは、これまでに「スーパーマン」「スーパーマン2 冒険篇」「スーパーマン3 電子の要塞」「スーパーマン4 最強の敵」の4本が製作されている。面白かったのは2作目までで、3、4は正直つまらなかった。そして本作は、面白かった1、2を踏襲している。2作目の終盤で姿を消したスーパーマンが再びカプセルに乗り、カンザス州の農場へ着陸するところから物語は始まる。実は、第1作でもスーパーマンの故郷“惑星クリプトン”の爆発の危機に際し、彼の父ジョー=エル(マーロン・ブランド)が、息子カル=エル(クリストファー・リーヴ)をカプセルで地球へ脱出させると云うのが発端だった。農道に落ちたカル=エル(スーパーマン)は、発見者であるケント夫妻の養子として、クラークと名づけられる。もともと地球人ではないクラークは、超人的な能力を持ったまま成人し、新聞社「ディリー・プラネット」で働き始めるという展開だ。ナイーブで純情な青年、クラーク・ケントを、クリストファー・リーヴが瑞々しく好演していたものだ。今回の新作は、この辺の流れをキチンと押さえ、シリーズ物としての人物配置や、話の流れにさしたる破たんがないばかりか、墜落するジェット機の救出劇など、スケールをさらにアップさせた見せ場の連続で飽きさせない。ブライアン・シンガー監督がライフワークとしていた「X・MEN:ファイナルディシジョン」を蹴って、この作品に取り組んだというだけあって、前2作の正当な続編とも呼べる力のこもった作品になっている。新スーパーマンを演じるブランドン・ラウスも、初々しい雰囲気で新たなヒーロ像の創出に成功している。なによりも全篇を通して、前作へのオマージュとして作られている点に、作り手たちのこのシリーズへの深い愛着の念が感じられ、胸打たれる思いすらするのだ。
(2006/12/31)