正統派映画評!『映画開拓史』の最新映画レビュー

マッドマックス 怒りのデス・ロード

映画評価映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点 マッドマックス 怒りのデス・ロード

 凶悪な暴走族に相棒の警官を殺されたうえ妻と息子まで殺害されて怒りに燃えた主人公が、そんな悪の権化と化した連中への復讐に乗り出す一作目から数えて今年で30年。その節目の年にあのマッ
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パラダイス・ナウ
Paradise Now

パラダイス・ナウ
点数映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点
年代2006年
フランス/ドイツ/オランダ/パレスチナ
時間90分
監督ハニ・アブ・アサド
脚本ハニ・アブ・アサド、ベロ・ベイアー
音楽
出演カイス・ネシフ、アリ・スリマン、ルブナ・アザバル、アメル・レヘル、ヒアム・アッバス、アシュラフ・バルフム

オフィシャルサイト

 今もってくすぶり続けるパレスチナ紛争。この紛争の出発点ともなった出来事が、40数年前の米映画「栄光への脱出」に詳しく描かれている。この映画は、当時、ハリウッドがアメリカの威信を賭けて製作したようなところが見られ、70ミリの大画面に、上映時間207分という超大作として公開された。作品の出来は冗長すぎて感心しないが、“国”を持たなかったユダヤ人によるスラエル建国の物語が、史実を基に描かれている。だが、これにより土地を追われ、難民となったパレスチナ人と、入植してきたイスラエル人との衝突が、いわば起こるべくして起きてしまい、これが実に半世紀を越える現在まで続くことになるのだ。そして、本作「パラダイス・ナウ」が、まさにその延長線上にあることは云うまでもない。

 イスラエルの占領地ナブルス。この地で暮らすパレスチナ人のサイード(カイス・シフネ)は、幼なじみの友人ハーレド(アリ・スリマン)と、近くの自動車修理工場で働くごく普通の青年だ。だがある日、二人のもとにゲリラ組織の幹部から声がかかる。イスラエルに対する自爆攻撃の実行役として彼らが選ばれたのだ。占領下の悲哀を深く知る彼らは、至極当然のようにその役を引き受ける。ゲリラたちと最後の晩餐を終えた二人は、自分では外せぬ起爆装置を体に巻かれるのだが、死を誇りと受け止める彼らの精神構造に寒々としたものが漂い何故か不気味だ。問題なのはそれが現在のパレスチナの現実だ、と画面は静かに訴えかける。この後彼らは、それぞれ爆薬を装着し、練り上げられた計画にそってイスラエルに潜入するが、あろうことかサイードが行方不明になってしまう。

 物語は、現実音だけで進行していく。前半で紹介されるふたりの家族や恋人とのからみも、音楽をカットした構成が非常に効果的で、観る者により深い感銘を残す。目先のウケだけを狙ったような、端にも棒にもかからぬ映画の氾濫する中で、“自爆テロ”というきわめて複雑な主題を選び、人間の生き方を問う本作は、まぎれもなく一見の価値ある一本だ。
(2007/12/17)

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