正統派映画評!『映画開拓史』の最新映画レビュー

マッドマックス 怒りのデス・ロード

映画評価映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点 マッドマックス 怒りのデス・ロード

 凶悪な暴走族に相棒の警官を殺されたうえ妻と息子まで殺害されて怒りに燃えた主人公が、そんな悪の権化と化した連中への復讐に乗り出す一作目から数えて今年で30年。その節目の年にあのマッ
映画評の続きを読む

映画評のアクセスランキング

WOOD JOB!〜神去なあなあ日常〜

トゥルーライズ

正統派映画評!『映画開拓史』点数の数え方

点数の数え方

正統派映画評!『映画開拓史』のスポンサー

Jocasi

個別映画評

敬愛なるべートーヴェン
COPYING BEETHOVEN

敬愛なるべートーヴェン
点数映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点
年代2006年
イギリス/ハンガリー
時間104分
監督アニエスカ、ホランド
脚本スティーヴン・J・リヴェル、クリストファー・ウイルキンソン
音楽
出演エド・ハリス、ダイアン・クルーガー、マシュー・グード、ジョー・アンダーソン、ビル・スチュワート

オフィシャルサイト

 学校の音楽室に飾られていたベートーヴェンの肖像画は、見る者を圧倒する険しい表情をしており、それは、子供たちにとって、得体の知れぬ恐怖そのものだった。だが、それこそ“楽聖”ルートヴィッヒ・ヴァン・ベートーヴェンその人だったのだ。多くの人が目にしたであろうその肖像画は、誰の目にも、毅然として近寄りがたい“聖人”、として映っていたに違いない。しかし、この映画に登場するベートーヴェンは、そんな聖人ではなく、友人から「ビースト」(野獣)と恐れられるひとりの人間として描かれる。幼い頃からの“難聴”ゆえか、粗暴なふるまいは目にあまるが、耳に付けたラッパ状の補聴器や、肩に背負ったフードを思わせる集音盤を身につけたその姿には、「ビースト」の猛々しさはなく、ただ、いたいたしさだけがのぞくのである。
 開巻、死の床にあるベートーヴェンのもとへ、馬車で駆けつける若い女性が描かれる。タイトルバックに流れる人々の暮らしと、時代背景を捉えるカメラの、落ち着いた色調がみずみずしく、思わず画面に引き込まれるオープニングが秀逸だ。そして、時代は1826年のウイーンにさかのぼる。「交響曲第九」の初演を4日後に控えたベートーヴェン(エド・ハリス)の元へひとりの若い女性アンナ(ダイアン・クルーガー)が訪れる。彼女は音楽学校の推薦でベートーヴェンのコピスト(写譜師)として派遣されたのだ。物語は彼女の目を通して見たベートーヴェン像として語られる。何と言っても圧巻は、中盤に用意された「第九」の初演だ。開演まぎわになって、難聴から指揮をためらうベートーヴェンに、“黒子”となって指揮を助けるアンナの機転が、大きく場面を盛り上げる。そして、この場面が一番のハイライトで、全身を包みこむような旋律に、陶酔感さえ覚える名シーンである。
 ベートーヴェンに扮するE・ハリスは、肖像画そっくりのメイクでなかなかの好演だ。アンナ役のD・クルーガーも理知的で献身的な女性をみずみずしく演じていて好感がもてる。惜しまれるのは、終盤に起伏が少なく、たんたんとした展開に“物足りなさ”が残ってしまうことである。
(2007/11/25)
 ※ コピスト=作曲家が書いた楽譜を清書する人のこと。

トップへ