正統派映画評!『映画開拓史』の最新映画レビュー

マッドマックス 怒りのデス・ロード

映画評価映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点 マッドマックス 怒りのデス・ロード

 凶悪な暴走族に相棒の警官を殺されたうえ妻と息子まで殺害されて怒りに燃えた主人公が、そんな悪の権化と化した連中への復讐に乗り出す一作目から数えて今年で30年。その節目の年にあのマッ
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隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS

隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS
点数映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点
年代2008年
日本
時間118分
監督樋口真嗣
脚本中島かずき  
音楽佐藤直紀
出演松本潤、長澤まさみ、阿部寛、椎名桔平、宮川大輔、甲本雅祐、高嶋政宏、國村隼

オフィシャルサイト

 云わずと知れた黒沢明の傑作時代劇のリメイク版である。この話を何かの雑誌で知ったとき、冗談だろうと思ったものだ。しかし、リメイク版は完成した。監督はじめ関わったスタッフの「面白い映画を作ろう」がコンセプトだったようだが、出来上がった“モノ”は練り上げられた高密度のオリジナル作とはほど遠い“別物”になっていた。
 時は群雄割拠する戦国時代。隣接する大国・山名に攻め込まれた小国・秋月の城は陥落。世継の雪姫(長澤まさみ)を守り隠し砦に逃れた秋月の侍大将、真壁六郎太(阿部寛)が、途中で出会う“山の民”武蔵(松本潤)と、新八(宮川大輔)を仲間に引き入れ、薪に仕込んだ黄金百貫とともに同盟結ぶ隣国早川領まで脱出していく、という基本ストーリーは同じだ。違うのは本作での武蔵、新八の若者ふたりが、オリジナル版では中年の強欲百姓「太平」と「又七」だったこと。ジョージ・ルーカスが自作の「スターウォーズ」で2台のロボットに置き換えたあのキャラクターだ。そして、黒澤明が一流脚本家たちと考え抜いたシナリオに、本作スタッフが手を加えた時からこの映画の方向が変わる。それはまず、狂言回しの百姓ふたりを若者に替え、しかも主人公にしたことだ。武蔵にスポットを当てたことで六郎太の魅力は半減、さらには雪姫のイメージまで変えた脚本がザンネンだ。致命的なのは、この作品の名セリフ「裏切り御免!」の誤用だ。本来、主君に仕える武士が口にすることで意味を持つ言葉を、敵・味方のしがらみのない人物にこれ見よがしに喋らせてもこじつけにしか聞こえないのは当然。そしてもうひとつ気になるのが主人公武蔵の“アゴヒゲ”だ。どこか不自然で、不快感さえ抱かせるポスターの写真が不思議だったが、本作を見てその疑問がやっと解けた。それは立派なアゴヒゲとは裏腹な剃り上げた鼻の下が生む“違和感”だったのだ。そのXメンまがいの“不自然メイク”には黒澤も苦笑いしていることだろう。
 西部劇の神様ジョン・フォードを敬愛した黒澤が、傑作サイレント映画「三悪人」へのオマージュを込めた入魂の一本に、太刀打ちできる監督はそうはいない筈だ。だがそこに果敢にも挑んだ本作は、モノクロ離れが進む若者層をオリジナル版へ誘う道しるべとして意義ある挑戦だったと、少なからず評価したい。

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