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マッドマックス 怒りのデス・ロード

映画評価映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点 マッドマックス 怒りのデス・ロード

 凶悪な暴走族に相棒の警官を殺されたうえ妻と息子まで殺害されて怒りに燃えた主人公が、そんな悪の権化と化した連中への復讐に乗り出す一作目から数えて今年で30年。その節目の年にあのマッ
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サラエボの花
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サラエボの花
点数映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点
年代2006年
ボスニア・ヘルツェゴヴィナ/オーストリア/ドイツ/クロアチア
時間95分
監督ヤスミラ・ジュバニッチ
脚本ヤスミラ・ジュバニッチ
音楽
出演ミリャナ・カラノヴィッチ、ルナ・ミヨヴィッチ、レオン・ルチェフ、ケナン・チャティチ

オフィシャルサイト

 2006年のベルリン国際映画祭において最高賞の金熊賞に輝いた秀作だ。しかも、地元ボスニア出身で32才の若き女性監督のデビュー作だそうで、期待も半ばで見たのだが新人を思わせない確かな演出が光る好編だった。
 1992年に始まったボスニア紛争から十余年……。内紛の傷痕もまだ消えやらぬ首都サラエボに、つましく暮らす母娘がいる。シングルマザーのエスマ(ミリャナ・カラノヴィッチ)と、その12才の娘・サラ(ルナ・ミヨヴィッチ)だ。ある日、卒業間近なサラの学校で、修学旅行の話が持ち上がる。しかし、低賃金で働く母エスマには旅費の余裕はない。頼みの借金も断られ、やっと見つけたナイトクラブで働き出すエスマのエピソードが物語の発端だ。さらに、仕事で留守がちな母に不満をもらす娘とのいさかいなども挿まれるが、娘サラの誇りが、顔も知らぬ自分の父親にある、というあたりからそれまでのファミリードラマ調から微妙にシリアスな一面を見せ始める。人々から祖国の為に戦死した英雄であることを意味する“シャヒード”と呼ばれる“父親”がサラの大きな誇りでもあり、その「戦死証明」ひとつでシャヒードの遺児は旅費も免除なのだ。しかしなぜか母エスマは「証明」をもらうことを疎んじる。ある時サラが母親に自分は父親に似ているか?と訊ね、母親が髪の色がソックリだと答える場面がある。それを聞いた時のなんともいえぬ嬉しげなサラの表情が刹那的に観客の心に刺さる。描かれるのは家庭での母娘のなにげない日常であり、娘が学校で体験するクラスメートたちとのちょっとしたいさかいや他愛無い遊びだ。だが、その中に浮かび上がるのは「民族浄化」の名を借りて行われた過去の忌むべき蛮行なのだ。新人監督カラノヴィッチが、女性として10代をその戦火の中ですごしたまさに“時代の目撃者”だからこそ描き得た作品なのだろう。物語は、自らの手で髪の毛をそり落とし、青々としたボーイッシュな頭にブルーの布をまいたサラがバスの最後部で手を振りながら修学旅行に出かけるシーンで終わるが、見送る母親との間の、切れかけた絆の再生を感じさせるラストが秀逸だ。
(2008/06/23)

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