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マッドマックス 怒りのデス・ロード

映画評価映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点 マッドマックス 怒りのデス・ロード

 凶悪な暴走族に相棒の警官を殺されたうえ妻と息子まで殺害されて怒りに燃えた主人公が、そんな悪の権化と化した連中への復讐に乗り出す一作目から数えて今年で30年。その節目の年にあのマッ
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カビリアの夜
LE NOTTI DI CABIRIA

カビリアの夜
点数映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点
年代1957年
イタリア
時間111分
監督フェデリコ・フェリーニ
脚本フェデリコ・フェリーニ、エンニオ・フライアーノ、トゥリオ・ビネッリ
音楽ニーノ・ロータ
出演ジュリエッタ・マシーナ、フランソワ・ペリエ、アメデオ・ナザーリ、アルド・シルヴァーニ、ドリアン・グレイ

 この映画は、20世紀を代表する映画監督の一人であるイタリアの巨匠フェデリコ・フェリーニが残した佳作である。もっとも、彼の代表作としては、大道芸人ザンパーノとジェルソミーナの哀惜の物語「道」が有名だが、本作のヒロインもまた“薄幸”というキーワードで繋がるところは似ているようだ。ただ違うのは、前者がちょつと頭の弱いピュアな魂の持ち主であるのに対し、こちらは生きるためには売春も恥じぬしたたかなヒロインであることだ。

 ローマ郊外の場末の街で、夜の女としてはたらくカビリア(ジュリエッタ・マシーナ)は、これまで男にだまされ続けた日々を送ってきた。そしてこの日も、男とデートの途中で河へ突き落とされバッグとお金を奪われたあげく、溺れかける。それでも男を信じて疑わないカビリアは、助けてくれた男の子たちに悪態をつく不届き者だ。そんな彼女でも今の生活を変えたい、というささやかな夢がある。これまで身を削って蓄えた貯金で小さな家も手に入れているのだが……。幸せになりたい一心で聖母寺院へ参拝するカビリア。だが、すぐに御利益が得られないと分かると人目もかまわずあたり散らす罰当たりな行為もはばからない。ある夜、立ち寄った見世物小屋で、彼女は催眠術の実験台にされ客の笑いいものになってしまう。そしてその帰り道、彼女の前に慰めの言葉をかける一人の男が現われる。だまされることへの強い警戒心を見せるカビリアだったが、幾度かのデートのあと男が持ち出した結婚話に次第に彼女の心は揺らぎはじめるのだ……。

 どうしようもなく愚かなカビリアの振舞いを呆れながらも見守ってきた観客は、彼女がまた男に騙されるのではと画面から片時も目が離せない。そしてそこまで感情移入させるのは、卑俗な暮らしの中で健気に生きるカビリアに、観客は無垢で純真な魂を見てしまうのだ。一介の娼婦を演じるJ・マシーナが、物腰粗野な主人公の中にキラリと光る精神性まで表現して見せる演技がそれを物語る。彼女がこの年のカンヌ国際映画際で主演女優賞を得たのは当然の結果だと納得できる名編である。
(2008/11/06)

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