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マッドマックス 怒りのデス・ロード

映画評価映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点 マッドマックス 怒りのデス・ロード

 凶悪な暴走族に相棒の警官を殺されたうえ妻と息子まで殺害されて怒りに燃えた主人公が、そんな悪の権化と化した連中への復讐に乗り出す一作目から数えて今年で30年。その節目の年にあのマッ
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ブラインドネス
BLINDNESS

ブラインドネス
点数映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点
年代2008年
日本/ブラジル/カナダ
時間121分
監督フェルナンド・メイレレス
脚本ドン・マッケラー
音楽マルコ・アントニオ・ギマランイス
出演ジュリアン・ムーア、アリシー・ブラガ、伊勢谷友介、木村佳乃、ダニー・グローヴァー

オフィシャルサイト

 スペインの作家、ジョゼ・サラマーゴの小説「白の闇」をブラジル・カナダ・日本で合作した作品だ。監督は「シティ・オブ・ゴッド」や「ナイロビの蜂」のフェルナンド・メイレレス。           
  突然目の前が真っ白になり失明する奇病、“ブラインドネス(白の闇)”が急速に蔓延する世界で、人間たちがさらけ出す愚かさや凶暴性を描いている。

 最初にこの奇病に感染するのが日本人の男(伊勢谷友介)だ。男は車を運転中に、突然白い光に視界を奪われ視力を失う。さらに、男を診察した医師(マーク・ラファロ)と、男の妻(木村佳乃)、そしてさらに、男に接触した人間たちが次々に感染、失明者の輪が広がっていく。だが、なぜか医師の妻(ジュリアン・ムーア)だけは感染しない。

  危機感を抱いた政府は、かって精神病院だった施設へ感染者たちを集め、強制収容して隔離する。出入り口は武装した兵で固められ、そこへ近ずく感染者は容赦なく射殺される。

 こうして収容施設での感染者たちの生活が始まるのだが、物語の大半を占めるこの施設内での出来事が、どれも観客を納得させる説得力を欠くのが惜しい。たとえば、感染者を保護した政府が食料援助のみで、人的支援はまったくせず、射殺された遺体の埋葬さえ目の見えない感染者にさせる、などどう見ても不自然だ。また、感染者たちのボスに居座った男が食料配分を仕切り、銃でおどして金品を巻き上げたり女たちまで男に分配するなど、失明したばかりの人間とも思えぬ行動にはあきれてしまう。なによりも、失明という不測の事態に直面しながら、物欲、性欲でもないではないか。さらに、目の見えることを隠して夫に付き添う医師の妻が、唯一見えるその目でボスに立ち向かうこともなく、ただただ男たちの意のままでは、観客のフラストレーションはつのるばかりだ。

 しかし、施設を出た感染者たちが街をさまよう終盤は、荒廃した都会の描写が不気味さと末世感を漂わせて実に見事で、強く印象に残る。本作が寓話性をテーマに構成されているのは分かるが、ただ、そこに“普遍性”が描かれていなければ万人の共感は得られないだろうし、たぶんそこが本作の評価を分ける分岐点だろう。
(2009/04/05)

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