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マッドマックス 怒りのデス・ロード

映画評価映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点 マッドマックス 怒りのデス・ロード

 凶悪な暴走族に相棒の警官を殺されたうえ妻と息子まで殺害されて怒りに燃えた主人公が、そんな悪の権化と化した連中への復讐に乗り出す一作目から数えて今年で30年。その節目の年にあのマッ
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必死の逃亡者
The Desperate Hours

必死の逃亡者
点数映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点
年代1955年
アメリカ
時間112分
監督ウィリアム・ワイラー
脚本ジョゼフ・ヘイズ
音楽ゲイル・クビク
出演フレデリック・マーチ、メアリー・マーフィ、マーサ・スコット、ハンフリー・ボガート、デューイ・マーティン

 これは「ローマの休日」「ベン・ハー」など、数々の名作を世に送り出した巨匠ウィリアム・ワイラーの緊迫感あふれるサスペンス映画だ。原題の「デスパレート・アワー」とは、主人公一家を苦しめる側と苦しめられる側双方が味わうことになる“必死の時間”とでもいうところか。

 主な舞台は、インディアナポリスの閑静な住宅街に建つダン・ヒリアード(フレデリック・マーチ)の邸宅だ。
 ある朝、妻のエリナー(マーサ・スコット)が夫のダンと娘のシンディ(メアリー・マーフィ)、それに小学生の息子ラルフ(リチャード・アイアー)を、会社と学校へ送り出しホッと一息ついた矢先、3人の男たちが突然家に押し入る。彼らはその日の未明、刑務所を脱獄した凶悪犯グレン(ハンフリー・ボガード)と、弟ハル(デューイ・マーティン)、それに仲間のコビッシュ(ロバート・ミドルトン)の3人だ。凶悪犯たちはグレンの情婦が持ってくる逃走資金を待つて高飛びの予定だが、それまでこのヒリアード家に潜伏する魂胆だ。そして、その日の夕方、娘シンディと帰宅したダンは、見知らぬ男たちに銃を突き付けられ、恐怖にふるえる妻の姿をそこに見る……。

 こうして凶悪犯たちと人質一家の「デスパレート・アワー」が幕を開けることになる。家族の命を守るため、必死の駆け引きに出る父親ダンと、家人を殺してでも逃げのびたい脱獄犯たちとの対立が、息詰まるような緊迫感を紡ぎ出す。画面には終始張りつめた空気が流れ、ワイラー演出は見る者までもその中に引きずり込むほどの力でこれらを描いてみせる。また、リー・ガームスのカメラも見事で、特に1階と2階を仰角ショットでとらえ、上下の局面を同時に見せる場面など圧巻だ。しかし、何といっても小道具の銃や自転車、オモチャの飛行機から車庫やクルマなどの大道具まで、キッチリ場面にはめ込んでテンションを高め、サスペンスのボルテージを上げるワイラーの監督手腕が、やはり一番の見どころだろう。

 サスペンス物には、見栄えのするカラー映像より単純明快なモノクロ画面が合うことを、はからずも実証してみせた本作もまた、ワイラーが残した傑作だ。
(2010/02/22)

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