個別映画評
ナビゲイター
FLIGHT OF THE NAVIGATOR

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年代 | 1986年 |
国 | アメリカ/ノルウェー |
時間 | 90分 |
監督 | ランダル・クレイザー |
脚本 | マイケル・バートン、マック・マクマヌス |
音楽 | アラン・シルヴェストリ |
出演 | ジョーイ・クレイマー、ヴェロニカ・カートライト、サラ・ジェシカ・パーカー、クリフ・デ・ヤング、マット・アドラー |
そこまで面白いとは思わなかったのに、なぜか記憶に残っている映画って、誰にも覚えがあるのではないだろうか。そして、ボクにとってのそんな一本が、まさにこの映画である。すでに20数年前の作ではあり、画質もCGもイマイチだが、登場するUFOのユニークな形状やそのメタリックな輝きが、今でもあまり色褪せてはみえないところがこの映画の隠れた魅力なのかも知れない。
お話はと云うと、12才の少年(ジョーイ・クレーマー)がある日、弟を捜しに出た森の中で谷に落ちて気を失う。数時間後少年が目を覚ますと、8年が経っていて父母も弟もその分トシをとっている。だが、少年だけは子供のままだ。NASAが調査を始め、同じころ発見されたUFOと少年に脳波のつながりがあることが分かる。少年は一個の生命体でもあるUFOと意思疎通ができることを知り、NASAで隔離されていたUFOを救い出す。実は、いつの間にか少年の脳には宇宙の航海図がインプットされていたのだ。そしてここから、UFOのナビゲィターとなった少年と、頭脳を持ったUFOとの、冒険行がはじまることになる……。
そう、確かにこれは少年が主人公の物語であり、“お子様向け”と言われればそれまでだが、しかしそれでもこの映画は、人を引きつける“何か”を持っているようだ。たとえばそれは、父母がいきなりフケてしまったり、さっきまで8才だった弟がすっかり一人前の青年になっていたりするファンタスティックなシチュエイションにあるのかも知れないし、あるいは又、鏡面を思わせる機体を持つUFOが、空と海の光をキラキラとそのボデーに反射させて海面上を飛行する素敵なシーンが、そう感じさせるのかも知れないのだが、とにかく一度見たら忘れられなくなる映画ではあるようだ。
さらに、今アメリカで人気のコメディ・ドラマ「SEX and the CITY」でブレイク中のサラ・ジェシカ・パーカーが、NSASの職員役で出演しているのも、この映画の見どころのひとつだろう。
(2010/12/24)