個別映画評
ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル
MISSION: IMPOSSIBLE - GHOST PROTOCOL

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年代 | 2011年 |
国 | アメリカ |
時間 | 132分 |
監督 | ブラッド・バード |
脚本 | ジョシュ・アッペルバウム、アンドレ・ネメック、クリストファー・マッカリー |
音楽 | マイケル・ジアッキノ |
出演 | トム・クルーズ、ジェレミー・レナー、サイモン・ペッグ、ポーラ・パットン、ミカエル・ニクヴィスト |
「M:I」シリーズお決まりの“名セリフ”といえば「この指令は読み終えたら自動的に消滅する」だろう。発火した導火線がジリジリと燃え進むオープニングに重ねた軽快なテーマソングも懐かしい。その第3作目から数えて5年。再びここに「M:I」がもどってきた。
今回は、ロシアの刑務所に収監されていた主人公イーサン・ハント(トム・クルーズ)が、仲間の手引きで脱獄。ある人物の情報収集のためロシア軍人に変装して潜入したクレムリンで、突然の爆破テロに巻き込まれたうえ、その実行犯の容疑をかけられてしまうのだ。しかもそのことで、イーサンとそのチームは所属のインポッシブル・ミッション・フォース(IMF)からエージェント登録を抹消され、大統領からもエージェンシーそのものの解体を意味する「ゴースト・プロトコル」(架空任務)を発せらるという、国や組織の後ろ盾を失う最大のピンチを背負うことになる……。
そんなワケでこれは、イーサンとチームを組む3名のエージェントたちが、クレムリン爆破の黒幕を暴いてその汚名を晴らし、一味が企てる恐るべきテロ計画を未然に防ごうとする物語だ。例によってお約束のハイテク・グッズもいろいろ登場する。たとえばそれは、イーサンがドバイの超高層ビル地上800メートルの外壁を登る際に使う特殊グローブだ。吸着力低下を示す赤色サインの点滅が見る者のキモを冷やさせるし、二度の“まばたき”でシャッターを切るカメラ機能を備えたコンタクトレンズなど、夢のある小道具がおもしろい。
この監督のデビュー作「アイアン・ジャイアント」は泣けるアニメと評判だし、その後の「Mr.インクレディブル」「レミーのおいしいレストラン」いずれのアニメもかなり面白い作品だった。たぶんこの監督、すぐれたストーリーテリングの持ち主なのだろう。“物語をいかに語るか”にアニメも実写版もないだろうし、その語り口の旨さが、この映画を痛快なアクション・エンターティンメントにしている。
(2011/12/28)