正統派映画評!『映画開拓史』の最新映画レビュー

マッドマックス 怒りのデス・ロード

映画評価映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点 マッドマックス 怒りのデス・ロード

 凶悪な暴走族に相棒の警官を殺されたうえ妻と息子まで殺害されて怒りに燃えた主人公が、そんな悪の権化と化した連中への復讐に乗り出す一作目から数えて今年で30年。その節目の年にあのマッ
映画評の続きを読む

正統派映画評!『映画開拓史』点数の数え方

点数の数え方

正統派映画評!『映画開拓史』のスポンサー

Jocasi

個別映画評

スローターハウス5
SLAUGHTERHOUSE-FIVE

スローターハウス5
点数映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点
年代1972年
アメリカ
時間103分
監督ジョージ・ロイ・ヒル
脚本スティーヴン・ゲラー
音楽グレン・グールド
出演マイケル・サックス、ユージン・ロッシュ、ロン・リーブマン、シャロン・ガンス、ヴァレリー・ペリン、ジョン・デナー

 「スローターハウス5」とは、劇中で主人公たちが繰り返し頭に叩き込まれるドイツ語「シュラハトホーーフ=フュンフ」に由来する。その意味するところは「第5屠殺場」という訳だ。なんとも物騒な話だが、そここそがこの物語の主な舞台となる「ドレスデン捕虜収容所」なのだ。そう、題名だけ見ればスプラッター映画ではとたじろぐ人もいるかも知れない。しかし、そんな不気味なタイトルであるにもかかわらず、この作品は、今もって世の映画ファンを魅了し続けている。つまり、“名作”である。

 さてそのストーリーは、本作の作者カート・ヴォネガット・Jrの“分身”とも云える主人公ビリー・ピルグリム(マイケル・サックス)が、今はもう老境を迎え実業家として成功した自分の回想録をタイピングしている場面で幕を開ける。それは、彼が体験する第二次世界大戦中の過酷な収容所生活であったり、奇跡的に自分だけが助かる飛行機事故であったり、それに繋がる妻の死であったりする。そして近づく光の球を愛犬と眺める束の間に、遥かトラファマドールなる星へ連れていかれたりと、これはそんな時間と空間を超越したある男の物語、ということなのだ。だから必然的に話は現在から過去へ、過去から未来へ、あるいは未来から遥かなる宇宙へと目まぐるしく変転することになる。

 つまりこれは、主人公ピルグリム(巡礼者)の、時空を超える壮大なる物語なのである。そしてそこがこの作品の“魅力”であり“見どころ”でもある訳だ。だがこれは、ひとつ間違えば話しがあちこちへ飛び、結果として映像だけが交錯する分かり辛い絵作りに繋がり兼ねない。ところが監督ロイ・ヒルは、それらの場面転換に挑むかのごとく、実になめらかに映像を繋いでみせる。カンヌ国際映画祭審査員賞をはじめとするいくつかの映画賞を受賞したのも、案外このあたりの監督手腕が認められてのことだろう。

 しかし、その頻繁な場面転換が万人に受けるかというと、そうでもないだろう。それは、過去や未来や、果ては宇宙まで出現する本作の映像世界に、誰もが共感するとは思えないからだ。世に“名作”は数あるが、そのどれもが、いつの時代の、誰の胸をも熱くするとは限らない。肝心なのはその作品を、見たその人が好きかどうかにかかっている。好きならそれは“名作”だろう。
(2013/5/22)

トップへ