正統派映画評!『映画開拓史』の最新映画レビュー

マッドマックス 怒りのデス・ロード

映画評価映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点 マッドマックス 怒りのデス・ロード

 凶悪な暴走族に相棒の警官を殺されたうえ妻と息子まで殺害されて怒りに燃えた主人公が、そんな悪の権化と化した連中への復讐に乗り出す一作目から数えて今年で30年。その節目の年にあのマッ
映画評の続きを読む

映画評のアクセスランキング

子鹿物語

悪魔の追跡

顔のない眼

正統派映画評!『映画開拓史』点数の数え方

点数の数え方

正統派映画評!『映画開拓史』のスポンサー

Jocasi

個別映画評

鍵泥棒のメソッド

鍵泥棒のメソッド
点数映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点
年代2012年
日本
時間128分
監督内田けんじ
脚本内田けんじ
音楽田中ユウスケ
出演堺雅人、香川照之、広末涼子、荒川良々、森口瑤子、小山田サユリ、木野花、小野武彦

オフィシャルサイト

 ここで云う題名の“メソッド”とは、一般的な意味での、いわゆる「手法」や「方法」ではなく、どうやら1940年代にアメリカの演劇界で注目され、その後ニューヨークで確立された「演技法」を指すようだ。つまり、演じる人物の「外見」のみならず、その内面の「精神性」までも演じ切ることなのだ。と云うのも、ここに登場する男ふたりもまさにそれで、互いの人生を入れ替えて歩き出し、それぞれの人物になり切るために、必死の努力を余儀なくされるからだ。そしてもちろん、そこがこの物語の“ネタ”の部分でもある訳だ。

 で、その物語だが、登場する主要人物は4人。まずその1人目は、売れない役者稼業に嫌気がさして、首吊りかけて死に損ねる主人公、桜井(堺雅人)と、オープニングで手口も鮮やかに“獲物”をさばいてみせるもうひとりの主人公、伝説の殺し屋コンドウ(香川照之)だ。そしてさらに、彼に“仕事”を依頼するヤクザの親分、工藤(荒川良々)と、雑誌の編集長、水嶋(広末涼子)の面々が、この奇妙な物語を紡いでいく――。

 で、その発端は、“獲物”の血で汚れた身体を洗おうと立ち寄った銭湯で、転んだはずみに頭を打って失神するコンドウと、たまたまその場に居合わせてロッカーの鍵をすり替え、コンドウになりすます桜井のエピソードに始まる。かくて、完全に記憶を失くしたコンドウは、残された衣服や所持品から、自分はビンボー役者の“桜井”なのだと思い込み、いとも真面目に役者の道を歩き出す。そんな真摯なコンドウの姿に好意を持って近づいてくるのが女編集長の水嶋だ。まだ相手もいないのに、部下に結婚宣言してしまい、今や婚活に必死な身でもある。一方、すり替わった相手が、まさかまだ誰も顔を見たことがない伝説の殺し屋だとは、ツユ知らぬ桜井の身辺には、不気味な影がチラつきはじめるのだ――。

 作品が面白いかどうかは、ほとんどの場合、その作品の骨格である脚本の“善し悪し”にかかってくるのは云うまでもない。その意味からも、この監督はなかなかのストーリーテラーだ。デビュー2作目の「運命じゃない人」も海外で評価され脚本賞を得ているし、本作もまた国内でいくつもの賞をものしていることからも、その実力のほどがうかがえる。物語は終盤、思わぬ方向へ転がりはじめるのだが、そこがまたこの脚本のよく出来たところで、最近の邦画の中では“拾い物”、と云っていい一篇だ。
(2013/6/21)

トップへ