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マッドマックス 怒りのデス・ロード

映画評価映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点 マッドマックス 怒りのデス・ロード

 凶悪な暴走族に相棒の警官を殺されたうえ妻と息子まで殺害されて怒りに燃えた主人公が、そんな悪の権化と化した連中への復讐に乗り出す一作目から数えて今年で30年。その節目の年にあのマッ
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サイコ
PSYCHO

サイコ
点数映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点
年代1960年
アメリカ
時間109分
監督アルフレッド・ヒッチコック
脚本ジョセフ・ステファノ
音楽バーナード・ハーマン
出演アンソニー・パーキンス、ジャネット・リー、ジョン・ギャヴィン、ヴェラ・マイルズ、マーティン・バルサム

 1900年代はじめのアメリカに、エドワード・ホッパーという画家がいた。時が止まったようなその特異な画風は、あのサスペンス映画の神様と呼ばれるヒッチコックのインスピレーションをも刺激したという。それはこの画家の、『線路わきの家』を見れば分かるのだが、そこに描かれた風景がまるで「サイコ」のあの、不気味な“屋敷”にそっくりだからだ。そこで本作だが、観客はのっけから、ソウル・バスのモダンなタイトルとバーナード・ハーマンのスリリングな旋律に導かれて、いきなりその“サスペンスの神様”ヒッチコックの目くるめく物語世界へと引き込まれることになる。

 舞台はアリゾナ州フェニックス。不動産屋に勤めるジャネット・リーが、客から預かった4万ドルもの大金をネコババして車で逃走する。恋人ジョン・ギャヴィンの元へ急ぐ彼女はその夜、雨に降られて寂れたモーテルに泊るハメになる。だがここで彼女は、この映画の有名シーンでもあるあの、“シャワールームの惨劇”に遭遇するのだ。物語のヒロインが彼女だとばかり思っていた観客は、早々と姿を消すジャネット・リーに戸惑うことになるのだが、実はこれがヒッチコック得意の、見る者をハラハラさせてはぐらかす“はぐらかし”戦法なのだ。彼女が逃亡途中に出会う警官がそうだし、乗り換える車を現金で買い、ディーラーに怪しまれる場面もそうだ。そしてこのあと観客は、物語の主人公が彼女ではなく、アンソニー・パーキンス扮するベイツ・モーテルの管理人ノーマンであることを知ることになる。

 そのノーマンが実に不気味だ。この男、どうやらモーテルの裏手にそびえる“屋敷”に、年老いた母親と二人で住んでいるらしいのだが、鳥などの生きものをはく製にするのが趣味らしく、部屋中そのはく製だらけなのがなんともキモい。そして何より、一部屋だけ明かりの灯る“屋敷”から聞こえるノーマンと母親との会話を、それとなく聞かせる神様ヒッチコックのサスペンス手腕に舌をまく。しかもそのワザを、アッと驚くラストまで持続させるのだからビックリだ。

 残虐シーンをこれでもかと見せる最近のサスペンス物と違い、そんな場面をまったく見せず、しかも観客を思いっきり恐がらせるヒッチコックには、やはり“神様”の呼び名こそふさわしい。今ごろは草葉の陰でホッパーも、苦笑いしていることだろう。
(2013/6/30)

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