正統派映画評!『映画開拓史』の最新映画レビュー

マッドマックス 怒りのデス・ロード

映画評価映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点 マッドマックス 怒りのデス・ロード

 凶悪な暴走族に相棒の警官を殺されたうえ妻と息子まで殺害されて怒りに燃えた主人公が、そんな悪の権化と化した連中への復讐に乗り出す一作目から数えて今年で30年。その節目の年にあのマッ
映画評の続きを読む

映画評のアクセスランキング

子鹿物語

悪魔の追跡

顔のない眼

正統派映画評!『映画開拓史』点数の数え方

点数の数え方

正統派映画評!『映画開拓史』のスポンサー

Jocasi

個別映画評

風立ちぬ

風立ちぬ
点数映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点
年代2013年
日本
時間126分
監督宮崎駿
脚本宮崎駿
音楽久石譲
出演庵野秀明、瀧本美織、西島秀俊、西村雅彦、スティーブン・アルパート、風間杜夫、竹下景子

オフィシャルサイト

 本作は2008年の「崖の上のポニョ」以来、この監督の久々の新作ということで誰もが楽しみにしていたのではなかろうか。もちろんボクもその中のひとりだが、しかし今回は、主人公が空想上の人物だったこれまでの作品群と違い、実在した人物である零戦の設計者、堀越二郎と、こちらも実在した作家、堀辰雄をごちゃまぜにして創り出した人物を主人公に持ってきたところが、これまでと違うところだ。しかもその丸い黒ぶちメガネの主人公は、どうやら監督の分身でもあるらしいからこの辺がちょっとややこしい。

 大正から昭和へ、1920年代の日本は不景気で貧乏で、そして大震災に見舞われるなど、生き辛い時代だった。そんな中、田舎に育ったひとりの少年が飛行機の設計者になろうと決意する。彼の名は堀越二郎(声:庵野秀明)この物語の主人公だ。少年は夢見る。いつの日か、美しい風のような飛行機を造りたい…と。
 そんな少年が夢の中で見るイタリアの著名な飛行機制作者カプローニと出会うシーンが実に美しい。何度も描かれるその、風が立ち、草がなびき、雲が流れるなかを悠然と空をゆく飛行機のシーンは、これまでにこの監督が描いてきた幾多の飛行シーンの集大成を見るようで、さすがにそれらのどの場面も素晴らしい。

 ただ、そんな見事な景色の中で展開する人間たちのドラマ部分が、どうにも淡々としすぎて面白味に欠けるのである。もちろん、主人公二郎と薄幸の少女菜穂子との出会いや別れは、誰の胸にもグッとくるだろう。しかし、それらをブチ壊しているのが主人公、二郎の一本調子なセリフだ。仮にそのセリフが棒読みでなく、ドラマの流れと共に主人公の心情を的確に表現していたとすれば、このドラマはより深い感動を見る者に与えたことだろう。

 ところで最近は、売れっ子じゃりタレや、お笑いタレントを起用したアニメ、あるいは洋画の吹き替え作を目にするが、あまりのデキの悪さに観賞中のリタイア組も多いと聞く。やはりここは“吹き替え”に限って云えば餅は餅屋で、“声優”をキチンと学んでなりわいとする人もいることだから、そんな人たちにまかせるべきだろう。

 本作に童話目線のファンタジックなアニメを期待して劇場へ足を運んだ子供たちには、ノスタルジックな大人目線のこの恋物語は、どうやら予想外だったのだろう。回りの席でガサゴソと落ち着かない彼らの動きは、あるいはこの作品の仕上がりに苦い審判を下していたのかも知れない。
(2013/7/25)

トップへ