正統派映画評!『映画開拓史』の最新映画レビュー

マッドマックス 怒りのデス・ロード

映画評価映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点 マッドマックス 怒りのデス・ロード

 凶悪な暴走族に相棒の警官を殺されたうえ妻と息子まで殺害されて怒りに燃えた主人公が、そんな悪の権化と化した連中への復讐に乗り出す一作目から数えて今年で30年。その節目の年にあのマッ
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おしん

おしん
点数映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点
年代2013年
日本
時間109分
監督冨樫森
脚本山田耕大
音楽めいなCo.
出演濱田ここね、上戸彩、岸本加世子、井頭愛海、小林綾子、満島真之介、乃木涼介、吉村実子

オフィシャルサイト

 橋田壽賀子原作のNHK朝ドラ「おしん」は、もう30年も前のことなので今時の若い人たちは知らない人が多いかも知れないが、放送当時は先ごろ話題のあの「あまちゃん」も足元にも及ばぬ視聴率を叩き出した国民的ドラマの名作だ。それが今や、世界の国と多くの地域で絶大な人気を得ているというのは、われわれ日本人にとって誇らしくもうれしいことではある。そしてこれは、その劇場版だ。

 時は明治49年。舞台はまだ雪深い早春の山形県は最上川上流のひつそりとした寒村だ。その村の貧しい小作農家に生まれた7歳のおしん(濱田ここね)が主人公なのは言うまでもない。おどろくのは、2500人もの応募者の中から、見事おしん役を射止めたその少女濱田ここねが、ここで見せる驚きの芝居だ。名だたる大物俳優を向こうに回し“おしん”になりきる健気な姿は、ただもうそれだけで見ていて目頭が熱くなるほどだ。

 そして物語は、折からの不作で食うに窮した父親(稲垣吾郎)から、“口べらし”のために川下の材木店に年季奉公に出されるおしんとその母親(上戸彩)との、せつない別れの場面を手始めに、終始観客の涙腺を刺激しながら展開していく。もちろんおしんの苦労話がはなしの核だが、幾多の困難を乗り越えて幼いおしんが逞しく成長していくサマが観る者の涙を誘うことになる。ただ、戦中・戦後の混乱期を逞しく生き抜いた女の一代記だった朝ドラ版と違つて、ここで描かれるのはまだ幼いころだけの「おしん」ストーリーなので、どことなく“物足りなさ”が残るのが惜しいし、さらに言えば、垢抜けた顔立ちの母親を演じる上戸彩は、どう見ても寒村の小作農家には不釣り合いで、ここはもっと泥臭いマスクの女優にすべきではなかったか、と思うのはボクだけではない筈だ。ただ、「チャッチャとせーよ」とばかりに平手でおしんをハリ倒す岸本加世子の迫力や、人間味豊かな奉公先の大女将、泉ピン子の滲み出る貫禄ぶりはさすがだ。

 それにしても、見終えて脳裏に浮かぶのはベテラン勢の姿ではなく、吹雪をついて走るおしんであり、ばあちゃんの死に泣き崩れるおしんであり、四六時中小まめに働くそんなおしんの姿ばかりだ。そう、ただただ、おしんの濱田ここねに泣かされていたのだと思い知る。 ま、本作を今はやりの言葉で言うならば、わざわざ劇場へ足を運んでくれた観客を、精一杯の“泣かせる「おもてなし」”で出迎えてくれる作品、とでもいうところか。
(2013/10/29)

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