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マッドマックス 怒りのデス・ロード

映画評価映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点 マッドマックス 怒りのデス・ロード

 凶悪な暴走族に相棒の警官を殺されたうえ妻と息子まで殺害されて怒りに燃えた主人公が、そんな悪の権化と化した連中への復讐に乗り出す一作目から数えて今年で30年。その節目の年にあのマッ
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眼には眼を
OUTLAW BLUES

眼には眼を
点数映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点
年代1957年
アメリカ
時間113分
監督アンドレ・カイヤット
脚本アンドレ・カイヤット、ヴァエ・カッチャ
音楽ピエール・ルイギ
出演クルト・ユルゲンス、フォルコ・ルリ、パスカル・オードレ、レア・パドヴァニ、ポール・フランクール

 「眼には眼を」とは、旧約聖書にある言葉で「眼には眼、歯には歯を」つまり、受けた“害”には受けたと同じ“害”で報いよ、という厳しくも冷酷な“復讐”を意味する。もう、50年以上も前に見たこの映画なのに、いまだに頭の片隅にこびり付く程のそのインパクトは、今見ても十分健在だ。

 砂漠の中の小さな町のフランス人医師クルト・ユルゲンスは、一日の激務を終え、やっと訪れたくつろぎの時間に身をゆだねていた。と、そこへ病院から連絡が入る。突然の腹痛で苦しむ患者が来院したと云うのだ。だが、せっかくの憩の時間を失いたくないユルゲンスは、「腹痛なら鎮痛剤を」と担当医に指示。自分で診ることなく最寄りの病院へ行かせてしまう。ところがこれがアダとなり、その患者は命を落とす――。と言うのがコトの発端だ。 

 患者は現地の男フォルコ・ルリの妻で、仕方なく指示された病院へ向かう途中で男の車が故障。翌朝、出勤途上でユルゲンスが、放置されたその車を目撃するあたりから、画面には不穏な空気が流れはじめる。実は前夜、故障した車を捨てた男は、雨の中病妻と共に何キロも歩いて病院にたどり着くものの既に手遅れで、宿直医の誤診も重なり、愛する妻を死なせていたのだ。

 ベテラン医師のユルゲンスが診て呉れていれば助かったものをと、男の恨みは、自分の身勝手で診療を拒んだクルトユルゲンスへ向けられることになる。そうとは知らぬユルゲンスは、身の周りに起こる不審な出来事を気にしつつも、やがて抜き差しならぬ事態に陥ったことを思い知るのだが……。

 そう、この映画の舞台は、今混乱状態で内戦が続くシリアだ。この物語の男ふたりは、この国の広大な砂漠地帯をその首都ダマスカスに向けてひたすら歩く。ありていに言えばただそれだけの話だが、さすが社会派監督A・カイヤットはそれを息詰まるほどのサスペンス・タッチで描いて見せる。医師ユルゲンスを、果てしなき砂漠へ引っ張り出して「眼には眼を」とばかりに苦しめる男フォルコ・ルリは、あの名作「恐怖の報酬」でも異彩を放っていたが、ここでも何を考えているのか分からぬ不気味な男を演じて異色だ。長い間映画ファンの間でDVD化が切望されていたこの名作が、やっとレンタル店の棚に登場したのを喜ぶのは、決してボクだけではない筈だ。
(2013/11/21)

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