正統派映画評!『映画開拓史』の最新映画レビュー

マッドマックス 怒りのデス・ロード

映画評価映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点 マッドマックス 怒りのデス・ロード

 凶悪な暴走族に相棒の警官を殺されたうえ妻と息子まで殺害されて怒りに燃えた主人公が、そんな悪の権化と化した連中への復讐に乗り出す一作目から数えて今年で30年。その節目の年にあのマッ
映画評の続きを読む

正統派映画評!『映画開拓史』点数の数え方

点数の数え方

正統派映画評!『映画開拓史』のスポンサー

Jocasi

個別映画評

それでも夜は明ける
12 YEARS A SLAVE

それでも夜は明ける
点数映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点映画評:金星20点,白星5点
年代2013年
アメリカ
時間134分
監督スティーヴ・マックィーン
脚本ジョン・リドリー
音楽ハンス・ジマー
出演キウェテル・イジョフォー、マイケル・ファスベンダー、ベネディクト・カンバーバッチ、ポール・ダノ、ブラッド・ピット

オフィシャルサイト

 最近みた映画の中で、最も衝撃的だったのがこの映画だ。それはこの当時のアメリカ南部の白人たちの、黒人に対する度を超えた非人間的な態度に、見ていてハラワタが煮えくり返る思いがしたからだ。黒人たちを“家畜”呼ばわりする白人たちの、その誰もがここでは“冷酷”を絵に描いたように見えておそろしい。

 1841年ニューヨーク。バイオリニストで白人と同等の権利を持つキウェテル・イジョフォーの主人公ソロモンは、妻と子供たちに囲まれて、何不自由なく暮らしていた。ところがある日、二人組の興行師に誘われて出演したあとの祝宴で酔いつぶれ、目を覚ますと狭い小部屋で手足を鎖に繋がれていた。二人組にハメられたのである。
 彼は自分が“自由黒人”であることを必死に訴えるものの無視され、ニューオーリンズ行の船に乗せられてしまう。“自由黒人”とは法律の保護のもと、奴隷の身分から解放された証しの“自由証明書”を持つ黒人のことで、彼の父から受け継いだ確かな“身の証し”の筈だった。しかし、それを証明するモノが何もない今、彼はまったくの無力でしかなかった。こうしてソロモンの苦難の12年が始まることに……。

 奴隷商人からプラットなる奴隷名を付けられた彼は南部へ運ばれ、農園主で牧師のベネディクト・カンバーバッチに買い取られる。そこで彼は農園主の信頼は得るものの、そのことが使用人の大工ポール・ダノの反感となり、木につるされて殺されかける。ぶらさがったままつま先立であえぐ人間を、報復を恐れて見て見ぬふりの人間たちの姿ほど異様なものはない。そんな主人公を助けるのは牧師のカンバーバッチだが助けはするものの、すぐさま厄介払いとばかりにそのソロモンを、綿花畑の経営者マイケル・ファスベンダーに転売してしまうのだ。ところがこの経営者がまた暴力で奴隷をコキ使うばかりか、若い女奴隷をおもちゃ代わりに弄ぶ卑劣な男だったのである。

 そう、全編これは黒人奴隷への飽くなき虐待で綴られる物語なのである。従って観ているこちら側も相当つらいものがあるが、自由の国とばかり思っていたアメリカの歴史の裏には、母と娘が引き裂かれて別々に売られる悲惨までがあったと知ると、もう、怒りを通り越して悲しくさえなるものだ。それにしてもさすが大物俳優“ブラピ”である。ここではおいしい役どころでの登場だ。それは、あしたが見えず悲嘆にくれるソロモンに、唯一手を差し伸べる奴隷解放論者としてのお出ましだからだ。見終えて胸にズシンと重い一編ではある。
(2014/10/20)

トップへ